小児科医&4児の母「女医の日常」さんに聞きました 「食事づくりのアイデア」を教えて!

『タカギ』ユーザーのみなさまから寄せられた“「食育」に関するお悩み”を解決する連載。お答えいただくのは、現役の小児科医であり4児の母としてYouTubeで情報を発信する「女医の日常」さんです。

今回は、日々の「食事づくり」について伺います。毎日のこととなると、献立を決めるのにも苦労するというお悩みも。また、古くからの食文化をどう取り入れるかが知りたいといった声も届きました。

料理が好きで、時短しながらも工夫を凝らしたお料理を日々作る「女医の日常」さん。医師の視点と知識に母としての経験も交え、今すぐ真似できる献立のアイデアも教えていただきました。

子どもに「食事って楽しい」と感じてもらうには?

同じ時間、同じメニューを家族で分かち合い、自信や喜びを誘う工夫を

女医の日常さん(以下、女医の日常) 私がいちばん大切にしていることが、なるべく家族みんなで食卓を囲むことです。「おいしいね」「楽しいね」を共有する体験が、「食事って楽しい」につながると考えています。 その上で、小さなお子さんの場合は「自分で食べられた」と、自信をつけることが大事です。フォークやスプーンの練習をしている時期も、つかみ食べでもOKと、おおらかに見守ってあげましょう。また、彩りがよかったり本人が好きな食器を使ったりと、見た目がよいこともポイントです。

お手伝いができるようになったら、食事の準備を手伝ってもらうのもおすすめです。食器を運ぶ、切る、盛り付けるなど、お子さんができることを任せてみませんか。わが家では、長男が包丁で切った食材を使う日は「にぃにが切ってくれたごはんだよ」とみんなに伝えます。するとその場が盛り上がり、長男も嬉しいみたい。

あとは、子どもと大人が同じメニューを食べることでしょうか。子どもって、大人のお皿から取り分けてあげると喜ぶんです。思い出してみると、私も大人が食べているものに憧れがありました。かといって、特別なメニューを用意する必要はありません。完了食になったら、大人が食べる分も1/3〜1/2程度の味付けにして、同じお皿から取り分けてあげても。(大人は物足りなかったら、味付けを追加すればOK!)「同じものを食べている」とお子さんの自尊心も高まります。もしお子さんが苦手なものでも、パパとママがおいしそうに食べていれば興味が湧いて、「食べてみようかな?」と思うかもしれませんよ。

まずはみんなで囲む食卓を楽しみましょう。


Question 1
毎年、妻がつくるおせちを、3歳と5歳の孫に食べさせたいです。そのおいしさを知って楽しんでもらえたら、喜びが共有できるはず。喜んで食べてもらえる工夫はありますか?


奥さまのお料理が上手で、手の込んだおせちをかわいいお孫さんに食べてほしい気持ちは分かかります。でも子どもは、初めてのものや珍しいものは食べない場合も少なくありません。おせちは年に一度の行事食なので、とくに小さなお子さんは見慣れていないこともあり、なかなか手をつけないのかもしれませんね。

だからといって「おいしいから食べてごらん?」と促すのは、かえってプレッシャーになる可能性も。まずは周りの人たちがおいしそうに食べている様子を見せたり、「こういう日本の文化があるよ」と教えてあげたりするだけでも、十分学びになると思います。

わが家のお正月は、夫の実家へ行き、義母さんが出してくれるおせちやお餅などをみんなで囲みます。「新年あけましておめでとう」と言い合って、家族が「おいしいね」と笑顔で食べていると、子ども心に「食べてみたい!」となるようです。我が家の子どもたちも、お餅、かまぼこ、伊達巻き、田作りなど、一緒に食べています。でも、里芋の煮物は食べません(笑)。

おせちに限らず、何を食卓に出すかは親や大人が決めればいいと思います。ただ、食べるものや食べる量を選ぶのはお子さんにしてあげましょう。苦手なものや食べないものを頑張って食べさせなくても、「こんなお料理もあるよ」と見せてあげるうちに、気になったら少しずつ食べるようになるはずです。まずは見守ってあげてくださいね。

女医の日常さんは、日本の食文化をお子さんたちに、どのように伝えていますか?


食べながら学んでくれたらいいなと思って、節分やひな祭りなどの節句は、それぞれの行事に合わせたメニューを作って出すようにしています。お月見のときは、おだんごを飾りました。そして、「今日はこういう日だね」「どうして、こういうことをするのかな?」などと会話しながら、みんなで食卓を囲みます。


Question 2
同じものを食べて育った兄妹なのに、好き嫌いがちがいます。2人に合わせていたら、メニューがどうしてもワンパターンになってしまうのが悩みです。


味の感じ方は、一人ひとり生まれつきちがいます。だから同じものを食べて育ったはずのきょうだいでも、好みに違いがでてくるものです。

お母さんが妊娠中や授乳中に食べているもの、離乳食の内容でも、味の好みは変わります。ちなみにお母さんが感じるにおいは、胎児も感じているそうです。だから妊娠中にいろいろなものを食べておくことは、お子さんの味覚形成という意味でも大切です。

わが家の子どもたちも、好き嫌いはちがいますね。私はいろいろなものを食べられるようになってほしいので、一食で何品かおかずを作り、中には子どもが苦手メニューも用意して、一人ひとりに少しずつ盛り付けます。好きなものはお代わりすればいいし、苦手なものも「一口は食べてみよう」と声をかける。これが好き嫌いのちがうきょうだいへの、いちばんの解決策ではないでしょうか。

大切なことは、食べるものを決めるのは親でいいということです。食べてほしいがゆえにお子さんの好みに合わせる気持ちも分かりますが、毎日みんなが好きな料理を作るのは大変。きょうだいの誰かが我慢する日があってもいいと思います。

親が作りたいメニューを出し続けると、いつの間にか食べられるものが増えるのかなと思います。私も子どもの頃は苦手だった祖母の作るきんぴらごぼうが、いつの間にか大好きになっていました。きっとお子さんに合わせすぎないことで、相談者さんの心も少しラクになるはず。

女医の日常さんは、献立を決めるときにお子さんのリクエストを聞くことはあるんですか?


もちろん!リクエストに応えることもありますよ。買い物に行くときに「何がいい?」とも聞きます。でも大体「ハンバーグ〜!」と返ってくるので(笑)。何でもバランスよく食べることを重視して、日々の献立を決めていますね。

Question 3
うちの子は、8歳、7歳、1歳、0歳と年齢幅があり、それぞれに食事を準備していると大変です。歳の差があっても簡単に準備できる朝ごはんを教えてください。


相談者さんはもしかしたら、塩分は何gなどと、厳密に離乳食を作っていらっしゃるのかもしれませんね。腎臓の機能が未発達の小さなお子さんは、塩分のとりすぎはよくありません。だからなるべく薄味がよいのですが、だからといって個別で作るのはけっこう大変ですよね。

私は食事を作るとき、先に下の子の分を取り分けてから味付けを濃くする、昔ながらのことをしています。そうすればあまり無理なく、家族みんなが同じものを食べられますよ。

わが家の朝ごはんは、「おにぎり、お味噌汁、焼き魚、サラダ、果物」の和食が定番です。おにぎりは、具やふりかけを変えれば、年が離れたきょうだいでも大丈夫。お味噌汁は、下の子たちも食べられる、豆腐、大根、なめこ、キャベツ、白菜などの具材を小さめに切って入れています。お魚は、骨が抜いてある鮭や鯖を。サラダは、きゅうりなど下の子たちも食べる野菜を使っています。

もっと手軽に済ませたい日は、「おにぎりとヨーグルトかチーズ」。もしくは「パンとスープ」。パンの場合、たとえばロールパンなら、上の子はジャムを挟み、下の子たちは何もつけずそのまま出しています。

かと言って、歳の離れたきょうだいがみんな同じメニューを食べるというのは、なかなか難しいと思います。とくに歯が生えそろう前の0歳、1歳は、大変な時期。離乳食は、市販のベビーフードの力を借りるのもアリだと思います。市販のものはかえって栄養素がきちんと考えられているともいえる、頼れる存在です。

手づかみ食べをする小さなお子さんと家族が一緒に食べられるメニューは?


たとえばお肉なら、小さなお子さんは焼いたりゆでたりするだけのものを出し、残りは後から味をつければOK。あとは蒸したさつまいもやじゃがいもも、味をつけてアレンジしやすく便利です。お野菜はスティック状に切ってあげると、小さなお子さんはつかみやすいですね。

きょうだい構成も年齢も違えば、食事づくりに悩むポイントもさまざま。だからこそ、「ちゃんとしなきゃ」と思いすぎなくて大丈夫です。今回ご紹介した工夫の中から、取り入れやすいものを選び、家族のペースで続けてみてください!毎日の食卓が、子どもにとって「楽しい記憶」になっていくはずです。

教えてくれた人
女医の日常さん

小児科クリニックに勤務する小児科医でありながら、小学2年生の長男、5歳の次男、2歳の双子と4児の母。登録者数約14万人のYouTubeチャンネル『女医の日常』で、ルーティン、料理、購入品など、日常や子育てに役立つ情報を発信している。初となる著書『毎日パパっと、からだよろこぶ 女医の日常ごはん』(ワン・パブリッシング)を2025年10月に発売。

【YouTube】女医の日常

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